まほろば紀行 外津国之巻(とつくにのまき)
■真臘(カンボジア)紀行 2005/05/07〜2005/05/11 5DAYS
1st.DAY
2005/05/07
東京→ホーチミン空港→シェムリアップ

□あまり重要ではない序文
 初の海外旅行でギリシアから帰ってきたときには、次に海外旅行に行くのは一体何年後のことか、と思っていた。予算のこともあるが、何より時間がない。 この頃勤めていた会社では、代休が取れる休日出勤が課せられていて、三連休程度であればいつでも取ることが出来た(その分休みが一日の週がある)が、海外旅行に行ける程の連休を取ることは容易でなかった。ゴールデンウィークでン連休など夢のまた夢。この年のゴールデンウィークも休日出勤が待っていた。
 しかし、いざ出勤シフトが組んでみると(担当者の合議で決めていた)、確かにゴールデンウィークには出勤せねばならなかったが、何とゴールデンウィーク直後に四連休を取ることが出来た。もっともこれまでも四連休程度は何度かあったが、海外旅行は念頭になかった。考えてみれば、四日もあれば行ける海外などはいくらでもある。そう思ったとき、これまで抑えていた海外旅行欲がむくむくと湧き上がっててきた。
 四日で行くならアジアだろう。世界邪神紀行をテーマとする自分としては、メジャーな神話の存在する場所がいい。アジアならインドか中国だ。しかしインドは四日では無理がある。中国は当時今一つ乗り気になれなかった。では遺跡ではどうか。インドと中国以外で前回のパルテノン神殿に匹敵するような遺跡は……あった。アンコール・ワットだ。アンコール・ワットって……カンボジアか!内戦の傷跡もまだまだ生々しい国だろ!こりゃまた難易度の高そうな国だなオイ!しかしまあ初海外でギリシアというのも何とかなったし、やってやれないこともないだろう。最近はアンコール・ワットのパック旅行なんかを大手旅行会社もやってるようだし。本家ではないが、ヒンドゥー文化の名残もあるし、上座部仏教とやらを肌で感じることもできるしな。よし、一丁行ったろうじゃないか!
 という訳で二度目の海外、初アジアにして単身カンボジアにへ乗り込むことと相成った。周囲からは前回以上に無謀との声もあったが、もはや意に介さない(少しは介せよ)。だがそこに待ち受けていたものは……(中略)待ち受ける阿鼻叫喚の地獄絵図だった……!?というのは前回の序文の結びだが、今回はマジで……(後は本文のお楽しみ)
※カンボジアは漢字では「柬埔寨」と表記するが、敢えて古代からカンボジアの最盛期クメール王朝時代まで中国の史書に記された「真臘」という名称を採用した。

■背景色について
カンボジアの国旗を構成する一要素であり、灼熱の熱帯をイメージする赤と、カンボジアの河川・湖沼を染める褐色との折衷としての赤茶色。

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