6th.DAY-3rd.&7th.DAY 2005/1/3-2005/1/4 ミラノ→東京

ドゥオーモの後側。どの面も装飾に抜かりはない。

ヴィットーリオ=エマヌエーレ二世通り、ドゥオーモから西方向。左側の壁はドゥオーモ、街灯の背後にあるのがヴィットーリオ=エマヌエーレ二世のガッレリア。
ドゥオーモの北側を走るヴィットーリオ=エマヌエーレ二世通り。ドゥオーモの後側から東方向。

ドゥオーモ広場。大勢の人で賑わっている。
ドゥオーモ広場に建つヴィットーリオ=エマヌエーレ二世(1820年〜1878年)の像。統一イタリア王国初代国王。世界史を勉強した頃が懐かしい。

ヴィットーリオ=エマヌエーレ二世のガッレリア入口。イタリア統一(1861年)を記念して建てられたアーケードで、1877年の完成。ドゥオーモとスカラ座を結び、中にはブランド店やカフェなどオシャレな店が並ぶ。「世界一美しいアーケード」との呼び声もある。

 さて、まだドゥオーモの内部は開いているようなので、入ってみることにした。

ドゥオーモ内部。五つの身廊・側廊と三つの翼廊が交わる構造。総面積は約1万2000平方mで、世界の教会建築ではヴァチカンのサン=ピエトロ大聖堂に次いで第二位。天井の高さは最高54m、柱の数は52本。内部には約1300体の彫像がある。

 ドゥオーモは内部も圧巻。とにかくデカイ、広い!しかし宗教施設内なので、あまりはしゃがないよう厳かに歩いて行く。内部では、録音されたものか、どこかで唱えているのかは分からないが、聖職者の祈りの言葉が大音量で響いている。圧倒されてめまいすら感じるが、ともかく奥へ進む。正面の身廊は信徒の礼拝用として一般客には閉鎖されているので、脇へ回って進んでいった。

内部の柱の間には数多くの絵画が飾られている。

天井はいくつものドームが重なるような形で、いかにも教会建築、ゴシック建築といった趣き。
巨大なパイプオルガン。是非一度その響きを耳にしてみたい。

 そこら中に目を奪われながら歩いていると、いつの間にか最奥部に達していた。そこに地下へ降りる階段があったので降りてみた。そこにはチケット売り場があって、その先は有料となっていた。ここには聖カルロ=ボッロメーオを祀る地下聖堂と宝物館がある。

左の赤いチケットが屋上行きエレベータのもの、右の白いチケットは地下のもの。地下の料金は忘れたが、3〜5ユーロくらいだったと思う。


ミラノの守護聖人、聖カルロ=ボッロメーオ(1538年〜1584年。ミラノ大司教。プロテスタントに対抗しカトリック内部の刷新に努めた)を祀る地下聖堂。緻密な大理石の彫刻は圧巻。

聖カルロ=ボッロメーオの遺骸を納めた銀製の骨壷。スペイン王フェリペ二世(1527年〜1598年。スペイン最盛期の国王)の献呈。

 地下の宝物館の方は、係員に聞いてみたら写真撮影禁止だった。こちらには銀や象牙で出来た聖具が展示されていた。宝物館見学の後、再度上へ上がり、ドゥオーモ内部をさらに見学。

翼廊の一つにある聖ジョヴァンニ=ボノの祭壇。

聖ジョヴァンニ=ボノの祭壇のアップ。これまた大理石の緻密な彫刻。外が暗くなってしまっているので分かりにくいが、背後には壮麗なステンドグラスがある。

主祭壇。写真の中央下部に、4本の柱に支えられた円蓋を持つ青銅の蝋台がある。その背後にはやはり壮麗なステンドグラス。 天蓋を持つ青銅の蝋台の左、太い柱の下の幕で覆われた中に、司教座がある。

主祭壇の近くにあったキリスト像。沢山の蝋燭が捧げられていた。

 ドゥオーモから出て来たところで、午後5時半。外は既に真っ暗だった。ドゥオーモ周辺のイルミネーションがとても美しい。

夜のヴィットーリオ=エマヌエーレ二世のガッレリア。

ガッレリア前のヴィットーリオ=エマヌエーレ二世通りも電飾に彩られている。 ガッレリア内部。中央には大きなガラスのドームがあり、床にも様々な模様が描かれている。

 ガッレリアの真ん中あたりまで進んでみたが、内部の店までゆっくり見ている時間がなかったのは残念。最後に、ドゥオーモ広場のカフェでコーヒーでもすすってみる事にした。ドゥオーモ広場の北西の角に、「バー ドゥオーモ」という店があったのでそこに入ってみた。「バー」と銘打っているが、コーヒーだけでもOKだ。

ドゥオーモ広場にある「バー ドゥオーモ」。大賑わいを見せている。
「バー ドゥオーモ」の右側、ドゥオーモ広場から北西へと続く道。

 中に入ってカプチーノを注文。英語は通じるような通じないような感じだが、さすがに「カプチーノ」は通じた。呑気にイタリア料理を食べている時間はないが、せめて本場のカプチーノぐらいすすってみたい。
 外の座席で待っていると、やがてカプチーノが運ばれて来た。

「バー ドゥオーモ」で飲んだ、本場イタリアのカプチーノ。味は日本で飲むものとさして変わらなかったが、重要なのは「気分」である(笑)。

 カプチーノを飲み終えたところで午後5時45分。そろそろ空港に戻らねばならない。激しく一泊したい衝動に駆られたが、このまま飛行機を逃しては一泊どころでは済まなくなるので、名残惜しさを断ち切ってドゥオーモを後にし、メトロポリターナに乗り込んだ。カドルナ駅でメトロポリターナを降り、ノルド駅へ。

ノルド駅前で見掛けたトラム。トラムも落書きされたまま走っている。しかもフロントガラスに。それでもそのまま走っているのは凄い、いや大丈夫なのか。

 ノルド駅でコインロッカーの荷物を回収し、再びマルペンサ・エクスプレスに乗り込む。

ノルド駅で見掛けた列車。これはマルペンサ・エクスプレスの車両ではない。 もう一度マルペンサ・エクスプレスに乗り込む。何だか某宇宙列車漫画のラストのような切ない気持ちになった。

 マルペンサ・エクスプレスは午後7時前に空港に着いた。飛行機は午後8時過ぎの便。若干ギリギリにはなったが、問題なく搭乗手続きが出来た。
 荷物検査・出国検査後、空港内の店舗を見て回る。さすがにイタリアだけあって高級ブランド品などが多数並んでいる。そんな中、12ユーロで売られている時計を多数発見。文字盤が横長の長方形の、ちょっとオシャレな時計を買ってみた。「イタリアで時計を買って帰る」という行為が一応できた訳だ(笑)。しかし時計に「ビジョー」というフランス語っぽい名称が書いてあるのでフランス製かもしれぬ、しかしヨーロッパ製ならなんでもいいや、と思ったが、後で調べてみるとアメリカのブランドらしいことが分かった(苦笑)。それでも気に入って着けていたのだが、半年後、青森のねぶたに参加して踊っているうちに紛失してしまった。
 さて、いよいよ搭乗。帰りも日本航空の便である。久しぶりに見る大量の日本人。機はほぼ定刻通り離陸。さらばヨーロッパ!

 日本航空の便なので、アテンダントもほぼ全員日本人。もう日本語だけでいい訳だが、たかが一週間とは言え、今までずっと日本語を使っていなかったので、自分で日本語を口にするのに若干違和感を覚える。上京して初めて帰省したときに似ている感覚だ。機内ではやけに喉が渇いて、やたらとコーラを注文した。

シベリア上空。真冬なので想像を絶する寒さである事だろう。

 日本に着いたのは夜。時差の関係でもう1月4日だ。大学の後輩、黒い三等兵氏に電話したら、丁度仕事も終わったとの事なので、一緒に夕食を食べることにした。総武線快速で、当時黒い三等兵氏が住んでいた新小岩へ向かう。新小岩で黒い三等兵氏に会い、ミラノから帰ってきた事を告げると、黒い三等兵氏は迷わずサイゼリヤへ連れて行ってくれた。そして奢ってくれたが、下の写真のもの。

時間がなくてミラノで食事ができなかった私に、黒い三等兵氏が「気を使って」奢ってくれた、サイゼリヤの「ミラノ風ドリア」。カプチーノもしっかり頂きました。

 そんなこんなで、家に帰ってきたときには、日付は1月5日になっていた。明日からは日常に帰らねば……と思いつつ床に就く。しかし旅の疲れで深く眠り過ぎ、電話で上司に起こされて、前日有休を取ったにも関わらず、新年から見事に遅刻したのであった。

希臘紀行 完


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