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■東日本大震災 津波被災地見聞録 其之弐
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□岩手県下閉伊郡田野畑村(平成二十三年十月九日・十日訪問)

 久慈市と宮古市の中間あたりに位置する田野畑村。ここは海に落ち込む高さ二百メートルの断崖が屏風のように連なる三陸屈指の名所、「北山崎」で有名な地。

津波に関して、よく自然の猛威が語られるが、これに対するもう一つの自然、大地の堅牢さもやはり大したもので、北山崎の二百メートルの断崖はあの津波にもビクともしなかった(若干岩が欠けた場所などはあるそうだが)。

そのため、北山崎は当初から通常通り観光可能であったようだ。普通にうに丼なんかも食べられたりする。
しかし、ゴールデンウィーク頃には、全く人が来なかったとか。夏でも厳しいものがあり、秋になってようやくちらほら、といった感じらしい。
私が訪れたときには、旅行会社主宰の、現地ガイド付き「被災地ツアー」の団体客が後からやって来た。
復興のためにもこういう企画はどんどんやるべきだろう。被災地おける数少ない「外貨獲得」手段なのだから(ここでの「外貨」は被災地外の金銭の意)。

二百メートルの断崖が五つ連なる「鵜の巣断崖」も、全く津波による被害はない。
ただしこちらはややマイナーな名所なので、元々商業施設も全くない。

一方、「北山崎」と「鵜の巣断崖」の間にある、断崖の合間の浜辺などは、甚大な被害を受けている。
このように防波堤が壊れて沖に流されてしまったり、

海面からそれなりの高さにある道路に津波の破壊の跡があったり(防波堤の損傷も凄まじい)、

もう少し高さのある、道路の向かい側の標識がなぎ倒されていたり、

何かの建物が辛うじて原型は留めていたり、

トンネルだけを残して鉄道が完全に流出してしまっていたり(三陸鉄道北リアス線)。

これは漁協か何かの、かなりの高さがある建物なのだが、それでも屋根の上まで津波が来たらしい形跡がある。
こんな高さまで津波が来てしまったら、もうどうしようもないだろう。
極力人工物ではなく、自然地形を頼れ、というのは確かである。


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