イラクリオ考古学博物館の外観。世界的にも貴重な遺物を収蔵している割には、質素な感じ。内部も特に工夫がこらしてあることもなく、規模的に見ても日本の主要都市の市立博物館くらいのもの。純粋に収蔵品だけで勝負ということか。
イラクリオ考古学博物館の目玉の一つ「フェストスの円盤」。クノッソスと同じミノア文明の都市で、クレタ島の南方にあるフェストス宮殿のより出土したもの。紀元前約1600年のもので、粘土製の円盤に象形文字が渦巻状に描かれているが、文字は未解読。この博物館の収蔵品で最も有名なものの一つで、やはり世界史の資料集などに載っている。
「フェストスの円盤」の裏側。表側と同じく象形文字がぎっしり。この円盤の文字は他のミノアの象形文字と異なるもので、今のところこの円盤以外にこの文字が書かれたものは世界で見つかっていない。ゆえに全くの未解読らしい。
「フェストスの円盤」と並ぶイラクリオ考古学博物館の目玉「牛頭のリュトン」。リュトンというのは杯の一種で、全体は凍石(印鑑などに使われる彫刻用の石材)製で、角は金箔塗り、目は水晶、鼻の周りの白い部分は真珠層(真珠貝などの内側にできる、真珠と同じ成分の層)で出来ている。紀元前16世紀、クノッソス宮殿出土。この博物館の中でも特に厳重でかつ目立つように展示されている。ミノア文明の高度さを示す逸品。
「牛頭のリュトン」側面。ミノタウロス神話に元になるような、牛への信仰がうかがい知れる。なお日本では、UHA味覚糖の玩具菓子「コレクト倶楽部 古代文明編」の一つとして製品化されてコンビニなどに置かれていたので、その筋の人には有名。![]() |
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| イルカの彫刻。クノッソスの壁画にもあったが、ミノア人はイルカが好きだったようだ。 | こちらはタコの描かれた瓶。海洋国家だったミノアでは、海の生き物がモチーフとなることもしばしば。 |
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| ミノア時代の剣。柄は水晶やら金箔やらで出来ている。大きさから考えても儀礼用、もしくは副葬品というところだろう。 | 豹か虎か、ネコ科の猛獣の頭部の像……だったと思う。 |
これもミノアの出土品のうちで有名なものの一つ「蛇女神の像」。ミノア時代にはこうした地母神も信仰されていたのだろう。後のメドゥーサなどの原型かもしれない。こうしたかつて崇拝された旧文明の蛇の女神が、後のギリシア時代に堕ちて邪神となったのが、メドゥーサ、ゴルゴン、ラミア、エキドナといった女性形の蛇の魔なのだろう。これは蛇神にして邪神の像なのだ。![]() |
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| 黄金の装飾品の数々。黄金を使った装飾品は数多く、豊かな文明であったことを偲ばせる。 | 装飾品と思われる黄金の斧。両刃の斧が重要なシンボルであったことをうかがわせる。 |
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| いわゆるクレタ線文字。戦争だか武器だかに関する記述と案内にあった気がする。ということは時代の新しい線文字Bのほうなのだろう。線文字Aは未解読だから。 | 巨大な両刃の斧。人間の身長を超える特大のサイズなので、明らかに儀礼用だろう。もしこんなものを実戦で使えるとしたら本物のミノタウロスしかいない。ちなみに刃の部分だけが本物の出土品。 |
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| ブロンズのフィギュア等。昨日買った「リアルな」ミノタウロス像は、これらの出土物風に作ったものだと合点がいった。 | クノッソス宮殿にあった、牛の角のモニュメントの実物。 |
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| クノッソスとは別の場所で出土した「牛頭のリュトン」。 | 何だかよく分からないが、牛が牽く、もしくは牛がデザインされた車らしい。何とも奇妙な造形だ。 |
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| 両手を挙げた人の像。西洋人観光客のおねーさん方の一団が同じポーズをして写真を撮っていた。それを見ていた一人で来ていた風のやはり西洋人の大学生くらいの女の子がなぜかこちらを見て微笑む。なんだろうと思ったら写真を撮ってくれだってさ。 | ミノア時代の棺桶。 |
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| ギリシア時代の腕輪。黄金が使われていたと思ったが……記憶が定かでない。 | こちらもギリシア時代の壺。所々金箔が貼られているようだ。 |
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| 女神アテナの描かれた壺。もちろんギリシア時代。 | ローマ時代の青銅製の兜、だったと思う。 |
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| 「雄牛跳び」。 | 「行列の回廊」の壁画。 |
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| 「女王の間」のイルカの壁画。 | 「青の婦人たち」。 |
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| 北の入口の見張り場にあった雄牛の壁画。 | 「ユリの王子の壁画」。 |
フレスコ画で覆われた「アギア・トリアダの石棺」。棺の4面にミノア人の葬送儀礼の様子が描かれている。しかしカラフルでパステルな棺桶だ。ミノア人の死生観は楽観的のものだったのだろうか?ちなみにガラスの下の台をよく見ると「ΑΓΙΑ ΤΡΙΑΔΑ」(アギア トリアダ)と書いてある。なおアギア・トリアダとはこの石棺が発掘された遺跡の名前。![]() |
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| 「玉座の間」のグリフィンの壁画。損傷が激しいようだ。 | 別のグリフィンの壁画。グリフィンというよりペガサスだな。 |
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| 青い鳥の壁画。マティスの絵画みたいだ。別にマティスに詳しい訳じゃないけど。 | タコの壁画。やっぱりミノア人はタコが好きだったんだろうか。 |
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| 2階の奥にあった黄金製品の中で一番大きい黄金の指輪。。 | 博物館が撮った黄金の指輪の拡大写真。右端の人物が神で、あとの二人が男と女……とかいう解説が書いてあった気がする。 |
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| ギリシア時代前期の鳥の像。奥の像や次の写真の像もそうだが、古代エジプトっぽさが漂う。ギリシア文明の淵源はエジプト文明だという話だが、なるほどと思った。 | やはりギリシア時代前期の女神か女性?の像。同様にエジプト的。クレタ島はギリシアの中でも最もエジプトに近いから、特に影響が強いのだろうか? |
古代ギリシア語が刻まれた石板。現代ギリシア語アルファベットとほとんど変わらない。
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| 一番奥にあった一番大きな像。しかし何の像かは分からなかった。ヘラあたりだろうか。 | 女神アフロディーテ(ヴィーナス)の像。何を持ってるんだろうか。 |
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| どこかの神殿か何かに使われていたタイル?の床。中央に海馬?に乗ったポセイドン、八方に息子のトリトンが描かれてる。 | ||
| 死者を蘇らせたという医神アスクレピオスの像。へびつかい座の神。 |
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| 博物館前庭の大理石の床を我が物顔で闊歩する猫ちゃんw | 博物館の庭に咲くハイビスカス。 |