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紅葉紀行
其之七、秋の鬼無里 ロ、奥裾花渓谷と奥裾花自然園
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 内裏屋敷から裾花川沿いに北上していくと、奥裾花ダムがあり、その上流には奥裾花渓谷がある。さらに道を行き止まりまで進むと、奥裾花自然園に至る。
 伝説によれば、鬼女紅葉が都より流されてきた場所は裾花川の上流で、そこから鬼無里へと下ったとのことなので、この奥裾花渓谷あたりが流された場所ということになるだろう。しかし、今なお道から一歩外れれば遭難して命さえ危うい山中、真実であればこの流刑は死刑に等しい。

奥裾花ダム近くに架かる奥裾花大橋。

奥裾花大橋付近より上流の奥裾花渓谷を望む。向かって左側の木々はかなり色付いてきている。

わずかに木々が色付く奥裾花渓谷。奥裾花渓谷は日本百景に選ばれている。

奥裾花自然園を流れる裾花川(正確には支流の濁川)。標高も上がり、木々も色付きを増している(奥裾花自然園の標高は一二六〇メートル)。ただしこの付近は筆者が迷い込んだ場所であり、自然園の正規のコースではない。

断崖より川に注ぐ滝。これも迷い込んだ場所。奥裾花自然園は、自然の山林をそのままに保護し、一般に公開しているもので、ほとんど人の手は入っておらず、一般の公園などとは全く異なる。

園内の黄葉。奥裾花自然園もまた紅葉・黄葉の名所である。なお、この先の写真は正規のコース内。

樹齢二、三百年のブナ。奥裾花自然園には広大なブナの原生林があり、その植生は一万年以上前からそのままだという。なお例年であればこの時期(撮影日は平成十六年十月十七日)には園内のブナが紅葉し、ワインレッドの森が広がるのだが、この年は紅葉が遅かった上、台風で葉が揉まれてしまい、紅葉は今一つであった。

訪れたのは平成十六年十月十七日で、例年であれば紅葉真っ盛りの時期であるが、この年は紅葉が遅く、色付いていない木々も多かった。

すすきの背後にある針葉樹林の上、白い幹に少し黒ずんだオレンジ色のような葉をつけた木々が写真中央に帯状に広がっているが、これがブナの森。例年であれば原生林のブナが紅葉しワインレッドの森が広がるのだが、この年は紅葉が遅かったのと台風で葉が揉まれてしまったせいで、このような微妙な色合いになってしまったそうだ。

付近の山々も、台風の影響で、灰色がかったくすんだ紅葉になってしまっている。「こんなことは初めて」(二十年来自然園入口で土産物屋を営む女性談)らしい。これはこれで少々不思議な色合いではあるが……。

奥裾花自然園入口に鎮座する奥裾花神社。例年四月にここで山開きを兼ねた「水芭蕉祭り」が行われ、「鬼女紅葉太鼓」も披露される(「鬼女紅葉太鼓」についてはこちら(第五回鬼女もみじ祭り)こちら(第十一回鬼女もみじ祭り)参照)。

奥裾花自然園入口から眺めた、帯状に雲のかかる山(山名は不詳)。撮影は他の写真の前日の夕刻。



奥裾花渓谷、奥裾花自然園への案内
 奥裾花渓谷、奥裾花自然園へ至る道は難しくはない。内裏屋敷の前の道をただ北上していくだけであり、その途中にあるのが奥裾花渓谷、行き止まりにあるのが裾花自然園。奥裾花ダムの少し手前にゲート(といっても道沿いの小屋の前で人が待機しているだけ)があって、ここで四百円を支払う(自然園の入園料)。
 道の行き止まりには、大規模な駐車場があって、ここからは徒歩で自然園に向かう。自然園までは、徒歩で三十分ほど。通常であれば問題なくたどり着けると思うが、初めてでしかも早朝に行った時などは、筆者のように違う道に迷い込んでしまう可能性もないとは言えない。正しい道は、来た方向から見て向かって一番左、舗装された道である。水芭蕉の季節に運行するシャトルバスのバス停もあるので、それが見えれば間違いない。土産物屋の奥にある下りの砂利道は間違い。この道を行くと、写真のような川沿いの景色は見れるが、正規のルートに復帰するには、半ば崖のようになったところをよじ登るしかない。遭難の危険もあるので、もし間違って入ってしまったら来た道を引き返そう。この道は周囲の状況からして、山崩れを起した箇所の治山工事のための作業用道路と思われるので、おそらくは立入禁止であろう。
 自然園内は探勝路が整備されており、案内板も所々設置されているので、迷うことはない。ただかなり広大で、特にブナの鑑賞をじっくりしようと思うと四時間ほど費やすことになる。勾配はほとんどないので特に体力が必要な訳ではないが、明かり等は一切ない完全な山中なので、なるべくなら午前中に訪れたい。
 なお奥裾花自然園はブナの原生林のほか、四~五月に花を咲かせる日本一の水芭蕉大群落(こちらを参照)、六月に産卵する天然記念物のモリアオガエルも有名。


大きな地図で見る
奥裾花自然園の場所は左の地図の通り。



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