紅葉紀行
其之二、柵の里 イ、大昌寺 呉葉門へ戻る
荒倉山の麓、戸隠村栃原の志垣集落は、かつて柵(しがらみ)と呼ばれた所で、紅葉の菩提寺や墓所がある。
紅葉の菩提寺大昌寺の案内板。比較的主要な道沿いに立っており、目印となる。もと室町後期に開かれた真言宗寺院であったが、江戸初期に曹洞宗となった。当寺には紅葉の位牌や狩野派筆の「紅葉狩」の掛け軸が伝わっている。
大昌寺仁王門。当寺に伝わる紅葉の位牌は、彼女を討った平維茂をともに合祀する「恩讐合祀」と呼ばれる珍しいもので、仏教の平等思想に基づくものである。位牌には両者をして「当群開闢」としており、この地に文化をもたらした祖神的な扱いをしているようだ。
別の日に撮影した昼の仁王門。観光地化されていない分、落ち着いたたたずまいを見せている。
大昌寺境内。位牌や掛け軸は堂内にあり、お寺の方に声を掛ければ参拝・観覧できる。住職やご家族の方はとても気のいい方だった。
境内に鎮座する紅葉慈母観音像。近年建てられたものだが、今でも紅葉伝説を大事にしている村人の心意気が伝わってくる。
紅葉慈母観音の説明書き。鬼女は昇華して鬼子母神のような慈悲の菩薩となったのか。紅葉伝説は今も編まれ続けている。
お寺の方に声を掛ければ、このような紅葉慈母観音のお守りや「紅葉狩」の布巾も頒布して頂ける。
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大昌寺の場所は左の地図の通り。また、後日再訪した様子はこちら。
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