狭山田女:結構急な山道が続くねえ。道はきちんと整備されてるけど。
大山田女:実はこれこそが、山門最大の古代遺跡、女山神籠石(ぞやまこうごいし)なのです。私達は既にその中に入っているのですよ。
大山田女:神籠石というのは、ここに書いてある通り、山の山頂や中腹に、方形に切った石を積み、数キロに渡って並べたものです。特に北部九州に多いのですが、中国地方にもあります。白村江敗戦後の「緊急事態」に作られた古代山城によく似ているのですが、記録にないので、何の為の施設なのかは、はっきりとは分かっていません。
狭山田女:こっちにも案内があるけど、七世紀頃の山城ってのが有力みたいだね。さっきの案内には、寸法からしてもその時代だろう、て書いてあった。
狭山田女:神籠石ごとに結構バラバラって事かな。
狭山田女:うわあ、本当にどこまでも続いてるなあ……。なるほど、それで山城説と霊域説があるんだね。
狭山田女:ええっ、卑弥呼とも関係ありそうなの。まあ、九州で一番有力な邪馬台国の候補地にある訳だけど……。そういや女山って名前も気になるね。麓には「女王塚」もあるしさ。
狭山田女:銅矛があるんだからねえ。だったらここは山城じゃなくて霊域なのかな。
狭山田女:なるほど~。おっ、いつの間にか、かなり山頂に近付いて来たね。折角だから山頂へ登ってみようか。