狭山田女:ここが、一言主神(ヒトコトヌシノカミ)を祭っている、一言主神社だね。
大山田女:こちらの案内に詳しく書かれていますね。実は古事記と日本書紀では一言主神に対する雄略天皇の反応が違います。古事記では天皇が恐れ畏まるのですが、日本書紀では一緒に狩を楽しんでいます。もっと後の続日本紀では天皇が無礼に怒り、土佐に流しているのです。
大山田女:実はここで、続日本紀は一言主神ではなく「高鴨神」と書いているんですが、何にせよ、時代を追うごとに、どんどん酷い扱いになっています。それには、この神を祖神とする賀茂氏の地位が下がっていったことと関係あるようですが。
大山田女:ですが、古くは天皇もひれ伏す偉大な神だった訳です。
狭山田女:この石は……? あっ、これが「蜘蛛塚」なんだ!
狭山田女:高天にあったのと、どう違うんだろう。
大山田女:高天のほうも大蜘蛛の妖怪ではありましたけど、頼光は関係なく、天皇が悩まされ、勅使が討つという話でした。話の内容を考えても高天のほうが古そうですし、高天という場所は非常に神聖視されていた場所ということもあって、あちらのほうが重要そうに思えるのですが、こちらも葛城を代表する神社ですし、無視できないですね。
狭山田女:かつては天皇もひれ伏した神様を祭る神社の境内だもんね。一言主神が落ちぶれて行く所なんかも、土蜘蛛と近いところがあるし。
大山田女:その一言主神は、高鴨神と同一視され、賀茂氏や「葛城王朝」にもつながって来ます。
狭山田女:その葛城氏も、「葛城王朝」と無関係じゃなさそうだね。
狭山田女:でも、そんな葛城氏も落ちぶれちゃったんだよね?
大山田女:帰りは駐車場の方へ降りていきましょう。|
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狭山田女:なんだか可哀想になってくる伝説だね。でも、一方ではこうやって今も信仰を集めてるんだから、一言主神っていう神様は、不思議だねえ……。 大山田女:では次は、一言主神社の後ろにそびえる、その葛城山に参りましょう。小角が修行した山でもあり、かつて山頂に一言主神社が鎮座していたともいう山です。一言主神社の神体山でもありますね。一言主神社の場所は、左の地図を参照して下さいね。 |