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邪神大神宮大祭(オフ会)

─第四十七回 旧戸隠村 鬼女紅葉祭り行─

於 紀元二六六五年(平成十七年)神無月壱拾五日〜壱拾六日

其之弐(二日目)
其之壱(一日目)へ



 八時に起床して朝食。ダラダラとしながらのんびりを宿を出ました。

朝の久山館。

 宿を九時過ぎに出て、一路紅葉祭りの会場へ。微妙に道を間違えたため、少し到着が遅くなってしまいましたが、何とかギリギリ開始時刻に到着。途中物凄く細く急な山道を、バスが黒鉛を吐きながら登っていきました。その後ろはツライ……。
 麓の駐車場に車を停め、そこから祭りのスタッフが運転するワゴンに乗って会場へ。時刻は十時をわずかに過ぎたところ。紅葉稲荷神社の境内で、今まさに神事が始まろうとしているところでした。

神事のはじめに行われる修祓。神事を行うに当たって穢れを祓う行事です。 お祓いを受ける参列者。

 今回の神事の修祓では、大祓詞も奏上されていました。昨年は祓詞のみだったような気が……それとも昨年は到着時既に終わっていたのでしょうか。ちなみに今回の旅では「雨の女王」の異名を取る水鈴さんが同行したためか、行程のほとんどは雨に見舞われたのですが、このあたりで雲が晴れてきました。タマモさんが「大祓の後、晴れてきた」と言ってましたが、確かにそのくらいのタイミングで空が晴れて日が差してきたのです。ともかくもお祭り日和となって何より。

大祓詞奏上の様子(動画)

これより祝詞奏上。
    祝詞奏上中。

 こうして神事も無事終了、お神酒やお供えが配られました。

祝詞奏上の様子(動画)

 神事に引き続いて、紅葉稲荷神社で獅子舞が奉納されます。




獅子舞の様子 其之壱(動画)
獅子舞の様子 其之弐(動画)

 獅子舞を見学した後、メイン会場のキャンプ場へ移動。ここで書籍やお土産、食べ物などを購入。

また今年も名前入りの旗を奉納させて頂きました。ちなみに筆を取られている方はayaさんの書道の先生だそうです。 能舞台では開会の挨拶などが行われていました。今年から長野市に合併されたため、長野市長も挨拶に来ていたようです。

 開会の挨拶も終わり、能舞台では例年通り謡曲が披露されます。今年は山崎閑祥会一団体のみの参加で、演目も「紅葉狩」のみでしたが、その分演目の最初から最後まで通しで行われました。

山崎閑祥会による謡曲「紅葉狩」。
謡曲「紅葉狩」の様子 其之壱(動画)
謡曲「紅葉狩」の様子 其之弐(動画)
謡曲「紅葉狩」の様子 其之参(動画)


謡曲「紅葉狩」の後は、毎年各所で日本舞踊をアレンジした「七久里紅葉狩」を披露している河藤比古重社中の日本舞踊です。今回は「七久里紅葉狩」はありませんでしたが、いろんな意味でイカした踊りを見せて頂きました。右は葉加瀬太郎アレンジの「朧月夜」に合わせた踊りです。
「朧月夜」の動画


♪BGM「浪速恋しぐれ」
「浪速恋しぐれ」の動画
♪BGM「昭和枯れすすき」
「昭和枯れすすき」の動画

 日本舞踊で、いろんな意味でお腹一杯になった次は、「戸隠太鼓」。「龍神太鼓」と「忍者太鼓」の二曲を披露して頂きました。「龍神」は戸隠の最も古い神・九頭龍にちなんだものでしょう。「本当は演奏中、龍が舞台を暴れまわるようなものにしたいが、まだまだ予算がありません」といったようなことをおっしゃってました。是非九頭龍の暴れまわる太鼓の演奏を見てみたいものです。また、戸隠は修験を基盤にした忍者の里としても有名。戸隠太鼓のテーマはこの忍者のようで、演奏者の方々の衣装も忍者をイメージしています。
 しかし、鬼無里のほうの鬼女紅葉太鼓といい、このあたりは郷土の歴史的背景を取り入れた太鼓が盛んなようです。現代的で少々斬新なものではありますが、それだけに発生当時の、庶民の楽しみとしての神楽や猿楽などに近いものがあるかもしれません。

勇壮な戸隠太鼓の様子。下の動画に関しては、どちらが「龍神」か「忍者」かは忘れてしまいました。確か上が「龍神」、下が「忍者」だったと思います。
「戸隠太鼓」其之壱(動画)
「戸隠太鼓」其之弐(動画)

 ここで昼休み。地元の人による餅つきが行われました。ついている途中で杵が折れるなどというハプニングもありましたが、ついた餅を無償で配るということもあって大好評の大行列。

餅つきの様子。
配られた餅。辛味大根がグッド!

 このあたりで会場にいらしゃっているはずのayaさんを探してみましたが、中学生くらいの女の子は見当たりません。ひょっとしてと思い、小学生くらいの女の子に「ayaさんですか?」と声を掛けてみましたが、首を横に振り、明らかに不審な表情を浮かべて去って行ってしまいました(苦笑)。ちなみにayaさんは当日いらっしゃっていなかったとのことでした。

昼休みの後、舞台では昨年同様キューピー・オカザワ氏のマジックが披露されました。

 祭り自体はまだまだ続くのですが、用事があるためタマモさんはここで引き上げ。一同祭りの会場から退出しました。

奉納旗の並ぶ中を駐車場へと下ります。
タマモさんと私の奉納旗が並んで掛けられていました。    


麓の駐車場からの眺め。このあたりは「朝ヶ原」(あしたがはら)と呼ばれ、紅葉様が朝夕散歩した場所と伝えられています。

 国道四〇六号に出たところでタマモさんと別れ、残る我々はまだ日も高かったので、紅葉伝説のもう一つの舞台・鬼無里へと向かいました。

 まずは紅葉様が暮らした「内裏屋敷」の跡へ。紅葉様の住居跡であると同時に、天武天皇時代の「遷都伝説」において、新都の内裏と定められた場所でもあります。そして、紅葉様の時代である平安時代の製鉄に関する遺跡も出てきているという、二つの伝説と現実が交差する不思議な場所です。



内裏屋敷の後ろの丘にある「月夜の陵」(つきよのはか)。遷都伝説において、調査に訪れてこの地で客死した皇子の墳墓だとされていますが、同時に紅葉様が長年仕えてくれた侍女「月夜」を葬った場所ともされています。

 内裏屋敷見学の後は、紅葉様が建てたという神社へ。まずは東京(ひがしきょう。紅葉様が都を偲んでつけた地名とも、遷都伝説にまつわる地名とも言われています)の加茂神社から。紅葉様が京の賀茂社を偲んで建てたとも、遷都伝説において加茂大神宮の称を与えて勅使の館を置いたとも言われてます。私としては、古代豪族賀茂氏との関連があるのではないかと睨んでいるのですが……(詳細は紅葉宮をご覧下さい。特にココココなど)。


こちらは西京(にしきょう)に鎮座する春日神社。この神社にも紅葉伝説と遷都伝説が。紅葉様が生きていたという平安時代に京を偲ぶなら、本社が平城京近くにある春日は少し違和感があり、遷都伝説の天武天皇時代なら、いまだ平城京は造られておらず、より一層おかしいのですが、伝説とはそうした齟齬を含むものです。むしろそうした綻びにこそ「真実」の糸口が隠されているのではないか……などとも思います。

 次に紅葉様の菩提寺で、紅葉様のもう一つの墓所のある松巌寺(しょうがんじ)へ参拝。川端康成の紅葉様に言及した文章が引用された記念碑も境内に建っています。

紅葉様の墓。 こちらは向かいにある家臣の墓。

本堂内に展示されている名刀「童子切安綱」(どうじきりやすづな)の写真。松巌寺にはこれまで何度か参拝していますが、この写真を見たのは今回が初めてです。展示は写真のみですが、現物も松巌寺で所持しているようです。できれば現物も展示してほしいですね。
童子切安綱の解説。童子切安綱は源頼光が酒呑童子を斬った刀で、足利、豊臣、徳川と伝わって今は東京国立博物館に所蔵されている国宝の刀です。安綱銘の刀は複数存在するのかもしれませんが その真贋はともかく、伝承の背景が気になります。酒呑童子との意外な共通項が。

松巌寺本堂。なんと正面入口の扉は自動ドア。本堂内には上の安綱のほか、鬼女紅葉退治絵巻の写真や紅葉様の肖像などが展示されており、各種資料、紅葉様の名が刻まれたお守りなども頒布されています。

 松巌寺への参拝も終え、そろそろ帰路に着きます。途中、旧鬼無里村と戸隠村の境にある大望峠に立ち寄りました。標高千メートルを越す峠で、ここからは戸隠連山や遷都伝説において鬼が築いたという一夜山を望み、眼下に鬼無里の谷を見下ろすことが出来ます。

大望峠。「伝説の谷」というコピーがいい感じ。 遷都を妨害するため鬼が築いたという一夜山。

「伝説の谷」鬼無里に天上からの光が……。感動のエンディングです。

 そして「伝説の谷」を後にし、東京へと帰ります。

帰り道、上信越道の横川サービスエリアで峠の釜めしを。どうでもいいことですが、このサービスエリアのトイレで「ノマノマイェイ」と歌いながら赤ん坊をあやしている母親がとても気になりました。あの赤ん坊はマイヤヒを子守唄に育つのか……。

 帰り道も順調、午後八時頃、中野に着き解散。皆様お疲れ様でした。下の写真は今回のトレジャー(いずれも紅葉祭り会場で購入)です。

戸隠・柵の大昌寺に掛けられている、狩野派の紅葉狩掛け軸の複製。 紅葉様の物語を夏木陽介が朗読してくれる素敵なCD。1/fゆらぎを取り入れたBGMがまた……。

※「大祭録」からこのページへ来られた方へ
紅葉様についてもっと詳しいことがお知りになりたい場合は、当神宮紅葉宮へご参拝下さい。


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鬼女紅葉祭りが行われる、紅葉稲荷社と荒倉キャンプ場(毒の平)の場所はこちら。また、第四十六回旧戸隠村鬼女紅葉祭りの様子はこちら、第五十八回旧戸隠村鬼女紅葉祭りの様子はこちら、第六十回旧戸隠村鬼女紅葉祭りの様子はこちら



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